概要
人気ブランドと京都の老舗がタッグを組んだ新作の振り袖に迫りました。ビビットな差し色が印象的なこちらの振袖。大手アパレル企業のアダストリア(ADASTRIA)と老舗着物メーカー京都丸紅がコラボし、振り袖を発表しました。このコラボの背景には、和装市場の深刻な悩みがあるといいます。1980年代、1兆8,000億と言われました市場規模が現在7分の1まで縮小していると。その現状を打開すべく、去年始まったこのプロジェクト。30以上のブランドを持つアダストリアとコラボし、日本の伝統文化を幅広い世代に身近に感じてもらえるきっかけになってほしいといいます。
第一弾はローリーズファーム(LOWRYS FARM)とコラボした七五三の着物を、第二弾はヘサー(HEATHER)とコラボした袴をプロデュース。そして第三弾となる今回はジーナシス(JEANASIS)とコラボ。振り袖には珍しい幾何学模様やパッチワーク柄を取り入れ、鮮やかなカラーをアクセントにしています。このアダストリア(ADASTRIA)のブランドを使ってこの着物、和装業界を少しでも盛り上げれば、我々としては非常に嬉しいことだと思いますので、ファッション=洋服だけではなくて、この着物の世界も届けて、より身近に感じて、この着る機会の場をいろいろと設けていけたらいいなと思っております。
第一弾の七五三のコラボは、京都丸紅が持つ独自のブランドのおよそ三倍もの受注があり、今回の振り袖にも大きな期待を寄せています。ブランドとしてですね、認知度を持っていますので、我々の着物とのコラボによって、全く興味のなかった方に発信できる。着物に対しての思いというのは、全く世の中でなくなったわけで全くないし、機会があれば着たいというふうなこともありますので、そういった部分の接点というか、そういったことを増やしていく。
ここではエコノミストで企業ファイナンスを研究している崔真淑さんに伺いました。今回のコラボレーション。どうご覧になりますか?「はい、VTRにもありましたが、着物市場は全盛期から7分の1へと縮小してしまっています。いくつかの理由があるように思うんですが、価格や着付けの難しさなどにハードルが高いと感じている。そういう方が多いと思うんです。実際、着物や和装に関する上場企業の業績を見ると、着物事業に関しては赤字の企業というのは少なくないんです。こうした課題に対して、今回の試みは非常に面白いですし、若い人が支持する可能性が極めて高いんではないかなと思っているんです。」
「着物はですね、お宮参り、七五三、成人式などなど、晴れる日の衣装として慕われていて、着物への関心が失われたわけではないです。例えば、浅草や鎌倉などを着物姿で散策するのがSNS映えするとして話題になっていて、着物のレンタルショップや和装に関する小売店が非常に人気ともなっています。」やっぱりこのタイミングは、お着物を着たいという時ありますよね。「そうなんですよね。さらには、グローバルな時代だからこそ、日本のアイデンティティである着物への関心が高まっているとも思うんです。ただ、どういうタイミングでどんな着物を選べばいいのか、よくわからないという方も多いです。だからこそ、身近な馴染みのあるブランドがこの分野に切り込むというのは、成長の可能性があると思うんです。」
「そして、さらにもう一つ、企業戦略として、今回の試みは現状の金融市場とも相性が良いと感じています。今、環境社会ガバナンスに配慮したESG経営が、投資家から企業に対して要請されていまして、さらには金融庁もESG経営を後押ししています。ただ、本業と関係のないビジネスでESG経営を行ったとしても、企業価値を毀損するという研究報告もあります。なので、事業とESG経営のシナジーに苦戦をするそういう企業少なくないんです。今回は着物の伝統を今に生かし、未来につなげるという事業を行い、さらには本業とも関連があり、社会的な意義がある。ESG経営の視点でも、興味深くその成長を期待したいなと感じています。」
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